アレルギー
アレルギー外来の特徴
特徴1
小児から成人まで対応
特徴2
総合的な管理を行う
当院では小児から成人のアレルギー疾患に対応しております。
お子さんのアレルギー疾患として、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、喘息、アレルギー性鼻炎などがございます。乳幼児期にアトピー性皮膚炎を発症し、その後、食物アレルギー、喘息、アレルギー性鼻炎と発症していきます。このように年齢を重ねるごとに次々にアレルギー疾患が発症していく様子を「アレルギーマーチ」といいます。
アレルギー体質をもつお子様がアレルギーを発症すると、アレルギーマーチを起こすことが多いため、できるだけ早く介入すること、個々の疾患だけでなく、総合的に治療を行うことが重要です。
当院においてはアトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、舌下免疫療法とアレルギー疾患を総合的に管理する体制を整えております。食物アレルギーの治療は、重篤な症状を引き起こす可能性があるため、当クリニックでは地域の基幹病院と連携しながら対応しております。
成人のアレルギー疾患として気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎があります。こちらについても当院で同時に対応が可能です。
乳児湿疹・アトピー性皮膚炎
肌荒れはアレルギーマーチの始まりとなるため、できるだけ早期に治療を開始し、良好な状態を維持することが大切です。小児皮膚科においては、保護者の方に外用薬の必要性や正しい塗り方をしっかりと理解していただくことが重要となります。当院では、単に薬を処方するだけでなく、保護者の方の理解を深めるためのプログラムを提供しております。
アトピー性皮膚炎の治療では、スキンケア、薬物療法、環境対策が重要です。薬物療法としては、まずステロイド外用薬を適切に使用していただくことが基本となります。湿疹が落ち着いた後は、ステロイド外用薬からプロトピック、モイゼルト、コレクチムなどの非ステロイド系外用薬への移行を検討します。
プログラム例
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初回
アトピー性皮膚炎の病態、治療方針、使用する薬剤(外用薬など)について説明し、治療を開始します。保護者の方には、スキンケアの重要性や外用薬の基本的な塗り方についてもご説明します。
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2回目(1~2週間後)
治療開始後の皮膚の状態の改善度合い、外用薬の使用状況などを評価します。必要に応じて、塗り方の再確認や生活指導を行います。
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3回目(2~4週間後)
その後の皮膚の状態の経過を評価します。治療効果が不十分な場合は、薬剤の変更や追加、あるいは他の治療法を検討します。
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4回目以降
皮膚の状態が安定してきたら、外用薬の塗布量の調整や塗布頻度の減らし方などを検討します。症状に応じて、ステロイド外用薬から非ステロイド系外用薬への変更も考慮します。
気管支喘息
当院では、0歳のお子さんから成人の方まで、幅広い年齢層の気管支喘息の治療を行っております。
6歳未満のお子さんには、吸入薬をより効果的に使用するための補助具であるスペーサーを用いて、吸入をサポートいたします。6歳以降のお子さんは、ご自身で吸入できることが多いので、吸入薬のみでの治療が可能です。成人の方に対しては、吸入薬を適切に継続していただくために、剤型にも注意しながら処方を行います。
また、喘息の長期的なコントロール方法の一つとして、舌下免疫療法をご提案することもございます。
*他院で喘息管理を行っている方の発作については普段のコントロール状況が不明のため、かかりつけ医にご相談ください。
アレルギー性鼻炎
当院では、内服薬に加え、点鼻薬や点眼薬の処方も行っております。また、アレルギー性鼻炎の根本的な治療法である舌下免疫療法も実施しております。
舌下免疫療法をご希望される場合、事前に血液検査にてスギとダニに対するアレルギー反応が陽性であることを確認する必要があります。まずは血液検査を行いますので、ご希望の方はお申し付けください。舌下免疫療法は5歳以上のお子様から適応となりますが、安全かつ安定して治療を進めるため、6歳以上からの開始をお勧めしております。血液検査は当院で実施可能です。直近1年以内に他院でスギ・ダニの血液検査を受けられている場合は、その結果をご持参いただければ、当院での採血は省略できます。
舌下免疫療法の流れ
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初回
処方された薬をご持参いただき、クリニックにて服用方法について詳しくご説明いたします。
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2回目
1~2週間後にご来院いただき、副作用の有無などを確認いたします。
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3回目
2週間後にご来院いただき、問題がないことを確認いたします。
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4回目以降
以降は1カ月ごとに経過を観察していきます。
エピペン
当院では、アナフィラキシー補助治療剤であるエピペン®︎の小児用と成人用を処方しております。
エピペン®︎は、通常、薬局での取り寄せが必要となりますので、事前にご予約をお願いいたします。ご希望の方はお電話にてお気軽にご連絡ください。
よくある質問について
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Q食物アレルギーはみてもらえないのでしょうか?
A食物アレルギーに関しては、治療である経口負荷試験が一定のリスクをはらんでいることから当院では対応しておりません。そのため、食物アレルギーの診断、治療については基幹病院へご紹介いたします。安定し、経過のフォローについては当院で対応可能です。
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Qステロイド剤を使用したくないのですが、可能でしょうか?
Aご心配な気持ちお察しいたします。長期的にはステロイド剤から他の薬剤への移行を検討してまいりますが、現在のところ、ほとんどのケースにおいて初期治療としてステロイド剤を使用することが非常に重要となります。
ステロイド剤は、炎症を速やかに抑え、症状を改善するために不可欠な薬剤です。初期の炎症をしっかりと抑えることで、その後の治療効果を高め、結果的にステロイド剤の使用量を減らしたり、他の薬剤への移行をスムーズにしたりすることが期待できます。
もし、ステロイド剤を全く使用したくないというご希望がございましたら、大変恐縮ですが、当院では十分な治療を提供することが難しい場合がございます。その際は、他の医療機関へのご相談をお勧めいたします。 -
Qアレルギー検査はできますか?
Aアレルギーの血液検査は、皆様が思われている以上に、多くのケースにおいて必ずしも必要とは限りません。
その理由としましては、詳細な問診や 診察によって、アレルギーの原因や対策が見えてくる場合が多いためです。また、血液検査で陽性の結果が出たとしても、それが実際の症状と関連しているとは限らないこともございます。さらに、食物アレルギーの正確な診断には、血液検査だけでなく、実際に原因となる食物を摂取して症状を確認する食物経口負荷試験がより重要な検査となる場合がございます。
上記の理由から、血液検査は現実的には限られた状況でのみ必要となるため、ほとんどのケースでは積極的に行うことはございません。血液検査を行う場合としては、主に以下のパターンが挙げられます。- ●アレルギー性鼻炎の診断をより詳しく把握するため
- ●舌下免疫療法を開始する前に、スギとダニに対するアレルギー反応を確認するため