おおしろファミリークリニック Oshiro Family Clinic おおしろファミリークリニック Oshiro Family Clinic

多賀城市、七ヶ浜町にて内科、小児科、皮膚科を中心としたクリニック

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  • 2019.7.9

はじめまして

皆様はじめまして。院長の音羽孝則です。

 

この度は当医院のホームページをご覧いただきありがとうございます。

このブログでは皆様に役立つ医学的情報や、地域とのつながり、診療に対する考え方などをお伝えしていければと考えております。

 

今回はブログの初回ということで、この場所で開業に至るまでの経緯を説明させていただこうと思います。

 

プロフィールにあるように私は仙台第一高等学校を卒業後、都内の大学に進学し、札幌の病院にて医師のキャリアを開始しました。札幌では総合内科、救急医療の研修を行いました。医師4年目から腎臓・高血圧内科を専門とすることを決め、札幌から神奈川に異動するため準備を行っていた3月に起こったのが、あの東日本大震災でした。病院の医局のテレビで、なじみのある場所を津波が飲み込んでいくのを呆然と眺めていました。被害にあった場所は高校の同級生も多く住んでいた地域でしたので心配というより、本当に現実味のないような気持ちに襲われていました。

 

4月に神奈川の病院に在籍後、その病院で震災支援のチームが作られることになり、私が所属していた医局でもスタッフが募集されました。もちろんチームのメンバーに立候補しましたが、私が選ばれることはありませんでした。おそらく、上層部としては「まずはしっかり専門性を身に着けなさい」ということだったのだと思います。そうなるべくその後も研鑽を積んだつもりでしたが、やはりその際に被災地に入れなかったことが心のどこかで引っかかっていました。

 

その後、各種専門医を取得し大学病院でチームを率いる立場になり、やりがいもある反面、もっと患者さんに近い立場で、幅広い診療をしたいという思いが強くなりました。大学病院を退職し、小児科、皮膚科、整形外科など内科以外の診療の研鑽を行いました。同時にずっと地元から離れておりましたので、地域での診療に従事すべく、医師10年目という節目に地元である仙台に戻ってまいりました。久しぶりに戻ってきた東北の現状をみたいと思い、特定の病院に所属せずに登米や新庄など主に地方にて診療を行っていました。また、原発近くの医療に従事したいという思いもあり、南相馬の病院でも診療を行ってまいりました。このように色々な土地で診療に当たるのは良い経験も多くできましたが、地域の方と継続的にかかわるという点で限界も感じました。そのような思いでいたところ、当院の前身である氏家胃腸科内科医院の氏家先生よりお話をいただき、2019年1月7日におおしろファミリークリニックを開院いたしました。

 

実際に大代で診療にあたって気がつくのは震災の爪痕です。カルテには「全壊」、「半壊」などのメモが残されていたり、身内をなくされた患者さんも多くおられます。そんな中前を向いて生活されている皆様には頭の下がる思いでした。私も何かサポートできればという気持ちで診療にあたらせていただいております。

 

ただ、被災地跡に貢献するという気持ちだけではなく、私自身ここでの診療を楽しみながらやっているというのが本音です。元々、患者さんの近い立場で幅広い診療(プライマリ・ケア)をしたいという気持ちで大きなキャリア変更を行いました。大代では多賀城駅周辺まででることが難しいご高齢の方々などを中心にプライマリ・ケアのニーズが高いと感じています。地域の方々から必要とされ、自分が行いたい医療を実践できる状況を嬉しく思います。

 

今後もこの大代の地で地域に根づいた診療を行っていく所存です。皆様どうぞよろしくお願い致します。